試演がいつなされたか明確でないとこあるが、
いずれにしても、それにつづく《狩り》の愛称で知られる変ロ長調の作品が、
一七八四年につくりはじめられた自作の作品目録に記載されているのに反して、
この作品がそこに記されていないということは、
それより前に書かれたことを裏づけているといってもよいであろう。
作品としては、かなり入念な筆のあともみせており、
とくに前半二楽章では、音楽的な内容も深みをもち、
しかも半音階的性格によってロマンティックな色あいを強めているが、
しかし、民族的要素もあるメヌエットと終曲との二楽章では、
それとは対照的に、素朴さやハイドンへの接近を示しているところもある。