2010年8月アーカイブ

続いて、エンリケは、地図製作者たちに個々の探検の航路を図にし、すべての新しい情報を1つ1つ書き込むよう求めました。


エンリケは、未知のものを想像で描くことを部下に許さず、未知の部分はすべて空白のまま残されました。


この作業を助けるために、エンリケの船長たちは、正確な航海日誌をつけて、風、潮流、錨を下ろす場所など、後に続く者にとって有益と思われるもの、航海の間に観察したものすべてを記すよう求められました。


現代風にいうと、海図とガイドブックは最先端のソフトですが、エンリケは、ハードの面も無視してはいなかったのです。


ラゴスの造船所で、彼の船大工たちが探検の任務に適した船を建造していました。


最初、船大工は単に地元の漁船を補強したバルカやバリネルと呼ばれる、1本マストに1枚の4角い帆の頑強な船を用いていました。


しかし、不可能ではないにしても、この船では、逆風はもちろん、逆巻く潮に抗って戻ってくるのはかなり難しい、という船乗りたちの不平を抑えることはできません。


そこでエンリケは、船乗りと船大工を集めて、彼らにもっとよい設計を考えさせました。


こうした努力の結晶として、エンリケの船長の1人が「最高の海洋帆船」と呼んだカラヴェラという帆船が開発されたのです。


カラヴェラ船は2本、後には3本マストで、そのすべてに大3角帆が装備され、従来のものよりも風にのって帆走できるようになっていました。


屈強の男たちと有能な船長が乗り込んだカラヴェラ船は、ポルトガルの海洋進出におけるきわめて重要な要因となりました。


ポジャドール岬の壁に象徴されるこの未知への恐れは、エンリケにとって、最大の難関となりました。


エンリケは、船乗りたちのように、闇の緑海とその恐ろしさを信じてはいませんでした。


しかし、彼らにそれを乗り越えさせるためには、彼の叱咤激励と金銭的なものだけでは充分でないということをエンリケは知っていたのです。


彼らを進ませるには、最新の道具と最良の地図、つまり最高の情報が必要なのです。


エンリケはそれらに注意を向けました。


彼は、リスボンの大学に出資し、科学者たちに航海上の問題を研究させました。


彼はこう尋ねました。


陸地が見えない海上で、船乗りは自船の位置をどうやって知ることができるか?


その答えを得るには、より高度な天文学の知識が必要でした。


そこで、最高の天文学者数人がリスボンに招かれ、実地に解答を探りました。


学者たちは自分の機器を携えてきて、それらを海で応用する方法を探りましたが、その多くはアラブ人の天文学者が開発したものでした。


エンリケは、また、著名な地図製作者もリスボンに招きました。


なかには、あの革命的な『カタルーニャ地図』を編さんしたアブラハム・クレスケスの息子、ジャコメ・デ・マロルカもいました。


当時、最も有名な地図製作者だったジャコメ・デ・マロルカを招いたのは、賢明でした。


彼は、地図製作という複雑な技術について自分が知っていることをすべてポルトガル人に教えたのです。


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